【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第62章 永遠の不在証明 -中編-
そう思った時、俺とその子供の間でふわっと俺の好きな匂いが香った。
「っ…サラ!」
真純の影から飛び出した子供の蹴りを受け止めたのは、サラだった。
「あの黒い車が中から出てきたのに、沖矢さん全然戻ってこないから!」
そう言いながら、サラはその子供が繰り出す素早い蹴りや拳をすべてガードし、最後にカウンターでサラから回し蹴りを繰り出した。
真純と一緒にいると言うことは、やはりこの子供は俺の…
となると、つまりまさに今この状況は、自分の最愛の恋人が、自分の実の母親と殴り合っているということか…
特殊すぎるこの初対面。
もちろんサラは今殴り合っているこの子供が俺の実の母親とは思っているはずもなく。
母さんもまさか自分に回し蹴りを繰り出した女が、自分の長男の婚約者だとは思わないだろう。
なんだが、後からこのことがサラにバレると、とんでもなく面倒なことになりそうな気が…
と、脳裏に浮かんだのは
「赤井さんのお母様に回し蹴り返しちゃったよ!?どうしよう!!絶対印象最悪だよ!!!!!!!」
と泣き喚くサラの姿。