【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第62章 永遠の不在証明 -中編-
赤井side
空港から市街地へ抜ける高速道路を制限速度ギリギリで車を飛ばしていると、隣でサラが不安そうな顔してチラチラこちらを見てくる。
さらに車の間を縫うようにして、猛スピードで駆け抜けていくと、今度は抜かれた車を心配そうに見つめるサラ。
「そんな顔をするな。
まるで俺が悪いことをしているみたいじゃないか」
「い、いや!悪いでしょ!
こんなにイカついスポーツカーがありえないスピードで間を縫って来るんだよ?
絶対こわいよ…抜かれた人…」
そんな、もう二度と会わない相手を心配するとは、お節介なやつだな…
などと、一切反省もせずにそう思う俺は、道が直線になるとさらにアクセルを踏む力を強めていく。
「ね、ねぇ…スピード出し過ぎじゃない?!
犯人捕まえる前に警察に捕まるよ!」
「そうだな」
「そうだなって!」
サラが隣でブーブー文句を言おうとした時、ちょうどいいタイミングでドリンクホルダーに入れていた俺のスマホが鳴った。
運転しながらイヤホンマイクでそれを取ると、電話の相手と通話を始める。
「ボウヤ。何が合った?」
「ちょっと病院でトラブルに巻き込まれちゃって」
「無事ならいい」
このボウヤに限って、心配するようなことはないだろうが、さすがにさっき急に返事が無くなったのは心配した。