【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第62章 永遠の不在証明 -中編-
「もしもし?!どうしたボウヤ」
「ボウヤ…?って、もしかしてコナンくん?」
赤井さんがボウヤと呼ぶのは、あの江戸川コナンくんしかいない。
それじゃあ、さっきからの電話はずっとコナンくんだったの?
そう言えば、この間ポアロまで迎えにきてくれた時、コナンくんと事件のことを話したと言っていた。
そのコナンくんに、何かあったらしい。
そのとき、怪しげな黒い車が駐車場から突然エンジンを吹かして走り去るのが見えた。
「沖矢さん!あの車!」
「っち…」
沖矢さんも即座にギアをドライブに入れてアクセルを踏み込むと、ギャルルルッとタイヤ音を鳴らしながらその車を追おうとした。
そのとき、突然目の前にバイクが現れて危うく追突しそうになったのを、沖矢さんが一瞬の判断でハンドルを切った。
「あっ…ぶな…!」
まただ…赤井さんのデスドライブ…
あの、キュラソーを追った時のことを思い出してサー…と血の気が引いていくわたしに、沖矢さんは猛スピードを出しながら平然とわたしに言う。
「サラ。シートベルト。
あと、今日は鼻をぶつけないようにな」
「っわ、わかってるなら安全運転してよー!」
「無理だな。行くぞ」
安全運転して欲しいというわたしの望みはあえなく却下され、赤い車体のマスタングは猛スピードを出したまま怪しげな黒の車の追跡を開始した。
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