【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第62章 永遠の不在証明 -中編-
沖矢さん(赤井さん)のスイッチはどこにあるのかたまに理解できない時がある。
今だって、さっきまで仕事の電話を真剣に誰かとしていたかと思えば、打って変わってわたしにキス攻撃を始めてくる。
よく赤井さんはわたしに、無自覚だ。とか、俺がどうしてこうなるか何も分かっていないだろう?とか言うけれど、今のもわたしがきっかけをばら撒いたの?
一体どの言動が彼のツボに入ったのかわからないまま、大好きな沖矢さんとの熱いキスを堪能していた。
知り合いに見られてたらどうするの?なんて言ったけど、こんなところに知り合いがいるわけないよね。
前に恋敵に見られたことがあるものの、あんな偶然そう何度も起きないだろう。
そんな甘い考えのままキスをしていたら、もっと欲しくなってきて、思わず身を捩りながら沖矢さんの首に腕を回した。
絡める舌を、わたしからも積極的に動かし始めたのに気付いた沖矢さんはキスをしながら少し意地悪に微笑んだ。
「どうしました?もっと、欲しくなりましたか?」
「思い出したように沖矢さん演じるの?」
「フ…欲しいなら欲しいと言え…」
そう言いながら、沖矢さんの手がわたしのデニムのショートパンツから伸びた太ももに触れて、優しく撫でた。
「んっ…」
「こら…こんなところで感じるなよ」
「だって…じゃあ触らないでよ…」
触らないでなんて、嘘
もっと触れて、なんならその太ももの位置からもう少し上へ動かして…
なんて思ってるからバチがあたったのかも。
突然、沖矢さんのスマホまた震えた。
どうやら休憩タイムは終わり。またお仕事の再開らしい。
名残惜しそうわたしから身体を離した沖矢さんは、スマホの通話ボタンをタップする。
「もしもし?」
仕方ない。
さっき読んでた本の続きでも読むか…と、諦めてまたスマホに目を落とそうとした時、隣で電話を受けた沖矢さんの様子がおかしい。