【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第61章 永遠の不在証明 -前編- ☆
7月24日
朝5時に起こされたわたしは、手羽先が食べられる!と上機嫌に支度を整え、鼻歌を歌いながらマスタングの助手席に乗り込んだ。
沖矢さんの姿でマスタングに乗る赤井さんは新鮮だ。
名古屋までスバルで移動するにはちょっと距離がありすぎるから。
4時間弱のドライブを楽しみながら、だんだん近づいてくる手羽先に心を躍らせていたけれど、沖矢さんが車を停めたのは何故か名古屋国際空港。
「…ん?何で空港?空港で手羽先を食べるの?」
「手羽先は、仕事を終えた後のお楽しみだ」
「えっ…ぇえええ!仕事?!」
観光気分で着いてきたわたしは、初めて知らされるその事実に大きな声を上げた。
「あぁ。今俺が追っているWSGのスポンサーの拉致事件。
残りのスポンサーが今日ここに来ている。
つまり、犯人がまた拉致しようと企んでいる可能性が高い」
「そ、そうなの…じゃあどうしてわたしを連れてきたの…?
いつも仕事にわたしを巻き込むの嫌ってたのに」
「…名古屋に行って、帰ってくるとなったら丸一日君のそばを離れることになる。」
「へ?」
思いもよらない回答に、わたしから思わず間抜けな声が漏れた。