【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第61章 永遠の不在証明 -前編- ☆
赤井side
「おい。聞いているのか?サラ。」
「……すぴー…」
「…サラ??」
サラからの返事が途絶えたことに気づいた俺はサラに呼びかけるも、返ってきたのは間抜けな寝息だった。
慌てて腕の中のサラを見ると、また可愛い顔をしながらすやすやと夢の中らしい。
「…俺の仕事の邪魔をしておいて…寝るのか!?」
「あかいしゃん…」
俺にしては珍しく怒ってみたものの、サラは起きる気配もなく何なら口角を上げながら、あかいしゃん…と寝言を言う始末。
はぁあ…と深いため息を吐いた俺は、サラをバスルームから抱き上げ、バスローブを着せてやるとベッドに寝かせてやった。
幸せそうに眠る彼女の寝顔を眺めていると、うっかり俺まで寝そうになったが慌てて自分の頬をビンタして目を覚ます。
「仕事だ…まだ途中だった…」
そう呟くと、とりあえずそこにあったシャツを一枚羽織った俺は、またリビングに置いてあるPCで捜査資料の確認を進めようと立ち上がった。
その時、眠っているサラが俺のシャツの裾をぎゅっと掴んだ。
「?サラ?」
起きたのか?と様子を見るも、未だすーすーと寝息を立てており、眠っている様子だ。
つまり、眠りながら俺のシャツの裾を掴んでいるらしい。
物凄い執念だ。
「仕事をするなと言うことか…」
はぁあ…とまた二度目の深いため息を吐いた俺は、仕方なくPCは諦めて、ベッドの中のサラの隣に潜り込むと、クラウドに保存してあった捜査資料をスマホでチェックすることにした。
その合間にもサラはむにゃむにゃと寝言を言い、たまに
「あかいしゃ…」
と、俺の名前を呼ぶもんだから、俺はその都度資料のチェックを中断してサラの髪を撫でてやる。
そしてごくごくたまに
「しゅき…あかいしゃん…」
とつぶやくサラに、律儀に「俺もだ」と言って頬にキスを返す。
寝言なんだから無視をすればいいものの、俺にそれが出来るはずもなく、結局夜通しかけて事件の考察を進めた俺。
翌日、ジョディに「いつもに増してクマがひどいわよ?!」と突っ込まれたのは言うまでもない…
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