【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第61章 永遠の不在証明 -前編- ☆
帰宅し沖矢さんから赤井さんに戻った彼は、ソファーに腰掛けてタブレットとPCを両方使って仕事の続きをしている。
どうやらジェイムズさんから送られた事件の資料をくまなくチェックしているらしい。
夕食はかろうじて二人でテーブルに着席して食べられたけど、その後また赤井さんは仕事。
わたしはというと、食後の片付けを終えてお風呂も終え、髪を乾かしたあとバスローブの状態でリビングに戻ってきたところだ。
相変わらず、赤井さんは難しい顔をしながらPCの画面を睨んでいる。
「赤井さんー。お風呂、空いたよ?」
「…」
そんな呼びかけにも答える気配もなく、時折「む…」と唸りながらカタカタとPCを操作している赤井さん。
ほんと、仕事熱心すぎてたまに心配になるよ。
そう思いながら、わたしは赤井さんが座るソファーの隣にちょこんと座った。
画面を見ると、WSG連続拉致事件というタイトルの資料で作成日は15年前の日付になっている。
「WSG…?拉致?」
「っ!サラ!」
わたしが隣に座ったことに気づかないほど熟読していた赤井さんは、わたしの姿を見てビクッと身体を揺らした。
「そういえば、もうすぐ東京でWSGが開催されるよね?
それと何か関係があるの?」
「捜査情報は教えられない。先に寝ていなさい」
仕事のジャマだ。というように、しっしとベッドルームに追いやろうとする赤井さんに、わたしはむーーっと頬を膨らませた。
「わたしだって、ちょっとぐらいは役に立てるはずなのに」
「そうだな。だが今回は、お前の出番は無さそうだ。」
そう言ってまた資料に目を落として調べ物を始める赤井さん。