【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第61章 永遠の不在証明 -前編- ☆
ジェイムズとの電話を終えた俺が階段を降りて1階のリビングに顔を出すと、ちょうど有希子さんとお茶を終えたところのサラが俺の姿を見て嬉しそうに近づいてきた。
「沖矢さん!お仕事終わり?」
「いや?まだちょっと…
これから、過去の事件を調べたり色々…
今日は工藤邸に泊まり込みで仕事をしようかと」
「そうなんだ…じゃあ、わたしは一人で帰ろうかな。
歩いて帰れる距離だし」
サラは笑いながらそう言ったが、なんとなく、俺と一緒に家に帰るのを楽しみにしていたのに…と残念に思ってる気持ちが透けて見えた。
同時に、隣で有希子さんが オホン!ゥオッホン!!と咳払いをして俺をジロ…と睨む。
まるで、そんな仕事家でしなさい。と言うような顔をしている。
「……やはり、サラと一緒に帰って家で仕事をしよう」
「え!ほんと?」
ぱぁあっと顔を明るくしてわかりやすく嬉しそうにするサラ。
サラと一緒だと仕事よりもサラに構いたくて仕方なくなる自分の性分をわかっていながら、有希子さんの圧とサラのあのしゅんとした顔に負けたんだ俺は…
自分が思っている以上にサラのことになると途端に押しに弱くなる俺。
かたやサラは俺と一緒に帰るのがよほど嬉しいのか、ふんふんと鼻歌を歌いながら有希子さんに手を振り、俺の後ろを着いてきた。
「仕方ないか…可愛いし」
「ん?可愛い?」
「いいえ?何でも?」
そんなバカップル丸出しのやり取りをしながら、二人で駐車してあるスバルに乗り込んだ。
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