【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第60章 二股の女? ☆
仕方ない。
わたしたちは、堂々と素顔で手をつないで歩ける普通のカップルではないのだから。
まだ、今は…
そんな複雑な思いが表情に出ていたんだと思う。
沖矢さんは両手を広げてわたしに微笑みかけた。
「…おいで?サラ」
大好きな彼の腕の中に飛び込むと、ぎゅーっと力強く抱きしめてくれる。
沖矢さんから香るのは、赤井さんと全く同じのタバコの匂い。
そして、落ち着く心臓の音が聞こえる。
「…堂々と外に出てやれなくて申し訳ない」
「どうして謝るの?そんなの、わたしだって組織の人間からしたら死んだはずの人間なんだし…
それに、お出かけは沖矢さんとできるでしょ?
…沖矢さんと手繋いだり、デートしたりするの、すごく好きだよ?」
「…じゃあ、今日はしばらくこのままの格好でいよう」
「え…」
「沖矢昴のまま」
そう言うと、沖矢さんはゆっくりとわたしの唇に優しくキスをした。
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