【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第60章 二股の女? ☆
けれど沖矢さんはわたしが思っている以上に、時に非情な決断を下す。
「あぁ。わかっているよ。
俺のことだ。とすぐにわかった。
けれど、変に否定したりしてヒートアップすると面倒だから、もう彼女との関係は切ったよ。」
「え…」
「もう二度と会わない、連絡もするな。と言って帰ってきた」
「そう…なんだ…」
「残酷だと思われるかもしれないが、如月は少なからず沖矢昴に好意を抱いていた。
実る可能性が無いのなら、すっぱり振ったほうが彼女のためでもある。」
「そうだよね…たしかに…」
少し可哀想と思ってしまうのは、わたしの甘いところだ。
そもそも、望みがない思いなら早々に拒絶されたほうが彼女のためでもある。
わたしの「可哀想」は優しさじゃなくて、きっと沖矢さんのような判断ができることが本当の優しさなんだろうなと感じた。
そんなわたしに、沖矢さんは少し申し訳無さそうにわたしの髪を撫でながら言った。
「ただ、今後赤井秀一の姿で外で会うのは出来る限り控えようと思う。
夜のドライブも、しばらくはお預けだな。」
「うん。わたしもそれ言おうと思ってた。
今回は見られたのが如月さんだったからまだ良かったけど、あの組織の人間に見られでもしたら一大事だし。」
さすがに、最近ちょっと危機感が薄れていたのも事実。
赤井さんと恋人同士でいられることが嬉しすぎて、自分や赤井さんの置かれている立場をおろそかにしていた節があった。