【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第60章 二股の女? ☆
なるほど…そういうことか。
昨日の夜、コンビニで、赤いスポーツカーの中。
相手は間違いなく俺だ。
沖矢昴ではなく、赤井秀一。
別人扱いになるのは当然だ。むしろ、やはり有希子さんの変装術は目を見張るものがあるな…なんて、呑気に感心しながらも冷静に返事を返した。
「…それで?」
「っそれでって!浮気されてるんだよ!?別れた方がいいよ!
昴は優しくて、頭も良くて頼り甲斐があって…もっと良い人と恋愛した方がいい!
あんな、良い子そうな顔しておいて裏で平然と浮気するような子、昴にはふさわしくない!」
そこまで言った如月に、俺の顔は自然に眉を顰め、声が低くなる。
「君は、サラの何を知ってる?」
「え…」
「サラが仮に浮気をしていたとしても、サラとの関係を続けるかどうかを決めるのは僕だ。」
「そうだけど…」
「サラと別れる気はない。
…この先一生、絶対に離れないと約束したんだ」
沖矢昴としては、珍しく感情を表に出したと思う。
俺にとって、サラを悪く言われることがこんなにも我慢ならないことだったのかと改めて気付かされたほどだ。
「っ…そんなの、ひどい!だって浮気してるんだよ?!
なのに平然と昴の隣にいられるの!?」
「…悪いが、もう君には二度と会わない。
連絡先も消してほしい。
電話もメールも、してこないでくれるか。」
「…私は、昴が…」
「気持ちには、応えられない」
残酷だと思う。
けれど、ここで変に情を出しても厄介だ。
それにサラが二股をかけていないことを証明するには、俺がこの場で変装を解いて沖矢昴という人間はこの世にいない。と告げなければならない。
そこまでする義理もなければ、今後関係を続けたい相手というわけでもない。
俺はその場に如月を残したまま、さよならすら告げずにファミレスを後にした。
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