【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第60章 二股の女? ☆
翌日、ポアロに出勤したわたしは盛大なあくびをしながらコーヒー豆の補充をしていた。
「くぁあ…」
「ふ…大きなあくびですね」
「っ…安室さん!」
このだらしない大あくびを見られていたことに気づいたわたしは、時すでに遅しとわかっていても慌てて口元に手をやった。
「寝不足ですか?」
「昨日…ちょっと…」
昨日は夜ドライブをしてコンビニに寄った後、自宅に帰るとあのキスの続きが待っていた。
玄関に入るや否やスイッチオンになった赤井さんに唇を奪われ、そのまま立った状態で最後まで。
そしてその後はベッドに運ばれて、骨の髄まで愛されて何度果てたかわからない。
気付いたら気を失っていて、ハッと目を覚ましたのが今日の朝。
慌ててシャワーを浴びて大急ぎでポアロに出勤したということだ。
そんなわたしの頭の中を見透かしたように、安室さんが言う。
「どうせ、昨日は夜遅くまで寝かせてくれなかったんでしょう。あの男に」
「えっ!!」
「図星ですか」
それはそうなんだけど、一応わたしと安室さんは元恋人という関係だから、さすがに赤井さんとの夜の話をするのはちょっと…
と、何で返して良いか迷っていると、安室さんはフ…と笑った。
「すみません。こんなこと聞かれると、困りますよね」
「い、いえ…
あ、安室さんは彼女とどうなったの?」
「?どうって?」
「週刊誌にスクープされてたじゃない!
歌姫の恋人!モザイクかかってたけど安室さんだってポアロのお客様の中でも話題だったんだよ?」
「あぁ…順調ですよ。
順調過ぎて、怖いぐらいに」
安室さんがはにかみながらそう言った瞬間、本日第一番目のお客さまがポアロに来店した。