第60章 二股の女？　☆

いい人ぶっておいて、やってること最低じゃない…
ありえない…
昴のこと、何だと思ってるの…

怒りが沸々と湧き上がる私の横を、2人を乗せたスポーツカーはギュンッとエンジン音を鳴らして走り去っていた。

こんな夜に、これからどこに行くの…？

あんな濃厚なキス、我慢できずに車の中でしてたんだから、きっと向かう場所は2人きりになれるところに決まってる。

最低…最低…！


考えれば考えるほど、昴があの子のこと大事にしていた光景が脳裏に蘇り、切ない気持ちになった。

あんなに優しい昴を簡単に裏切るなんて許さない…


怒りで我を忘れた私は、明日の朝ごはんのおつかいを頼まれていたことなんてすっかり忘れて、駆け足で自宅に戻った。

私なら、絶対に浮気なんてしない。
昴のこと、まだ知り合ってばかりだけど、もっと彼の色んなこと知りたい。

私のこと、好きになって…


自分の部屋のベッドに顔を埋めて、ひたすらにそんなことを願っていた。


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