【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第60章 二股の女? ☆
「よいしょ!はい、これタバコ」
助手席に座りながら、赤井さんに買ったタバコを手渡すと、赤井さんは目を丸くしてわたしを見る。
「あれ…いつも吸ってるのそれだよね?」
「あぁ…いや…感動しているんだ」
「え?」
意味がわからず、思わず赤井さんに首を傾げるわたしを見て、赤井さんは髪を撫でながら言う。
「俺のいつも吸っているタバコ、
覚えていてくれたんだな。
それが嬉しいよ。物凄くな」
「そりゃ覚えてるよ。
大好きな人が好きなものだもん。
赤井さんだって、わたしの好きなもの覚えてるでしょ?」
「当たり前だ。」
そう言って、赤井さんは運転席からわたしの頬に手を添えた。
そして、さっき赤信号のときにしたみたいに、またゆっくりと唇を奪う。
「ん…っ」
思わず吐息が漏らしたわたしを更にドキドキさせるようにまた角度を変えて赤井さんの顔が近付いてくる。
「あ…フロントガラスから丸見えだよ…?」
「見せつけてやろう」
わたしの見せかけだけの拒絶なんて意味をなさず、運転席と助手席で何度も唇を重ねた。
「…ん…ッ…あかいさ…」
「ん?…どうした?」
「っ…ダメ…やめて?」
「嫌だったか…?」
わかってるくせに。
嫌なわけない。嫌なら、こんなに身体が疼いたりしないもの。
「…そうじゃない。
早く帰って、もっとしたい…
我慢できなくなってきたの」
「…サラ…」
顔を赤くながら、赤井さんの目をじっと見るわたしに、赤井さんはフッと笑って耳打ちをした。
「今日は寝かせないからな」
あの甘い声が耳元で響いて胸が高鳴る。
もうときめき過ぎて気絶寸前のわたしをよそに、赤井さんは涼しい顔してわたしの頬に一度チュッとキスをすると、自宅まで車を再度飛ばした。
わたしはこの時、自分の脇の甘さに全く気づいていなかった。
赤井さんとキスできることが幸せすぎて、盲目になってたんだ。
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