【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第60章 二股の女? ☆
その時、運転席から赤井さんの腕が伸びてきて、わたしの頭をホールドすると、赤井さんの唇がわたしの唇を奪った。
ぱちくりと目を見開くわたしに、赤井さんは大人な余裕で数回角度を変えてひとしきり口付けを堪能する。
ゆっくり離された時、タコみたいに真っ赤になったわたしを見て、赤井さんが意地悪に微笑んで言った。
「キスをしてくれとせがんだのは、お前だろ?」
「…だって!帰ってからなって言ったくせに」
「すまんな。我慢できなかったよ」
「っ!!ずるい!!」
結局わたしの負けだ…
また赤井さんに心臓を鷲掴みにされてしまって、わたしのHPはゼロに等しい。
ドキドキし過ぎてなんか無性にお腹も空いてきたとき、ちょうど数メートル先にコンビニを見つけた。
「あ、コンビニ寄っても良い?」
「ああ。」
急にお願いしたにも関わらず、赤井さんは華麗なハンドル捌きで難なくコンビニの駐車場に一発でマスタングを駐車した。
素顔の赤井さんは、駐車すると即座にサングラスを装着。
さすがにコンビニの中へ入れず、わたし1人で買い物に出ることになった。
「あ、サラ。
タバコ買ってきてくれ。銘柄は…」
「知ってるよ?いつも吸ってるやつでしょ?」
「あぁ。これで買ってきてくれ。
ついでにお前が買うものもここから払え」
そう言って一万円札をわたしに手渡した。
「いっ、いいよ。
たまにはわたしが払うから」
「駄目だ」
赤井さんは何としても首を縦に振らない。
根負けしたわたしは赤井さんから大人しく一万円札を預かり、店内に向かった。
もう夜も深いというのにチーズケーキをカゴに入れ、レモンソーダーとついでに頼まれてもいない赤井さんの愛飲缶コーヒーをカゴに入れた。
そして会計時にレジで
「LUCKY STRIKEください」
と、赤井さんに頼まれていたタバコを買い、会計を済ませてマスタングに戻った。