【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第59章 愛に似てる
さっきから、不安なのか怖いのか、如月さんはずっと沖矢さんの腕にしがみついてる。
その様子を見て、無意識に口を尖らせていたんだと思う。
わたしの顔を見ると、沖矢さんは即座に如月さんの腕を外しながら言う。
「すみません、離していただけますか?」
「あ…ごめん…怖くて…」
そう言って俯きながら、如月さんはゆっくりと沖矢さんから手を離した。
3時間、とりあえずエレベーターの床に座り待つわたしだけど、4月のエレベーター内は少し肌寒い。
ちょうど日も落ちてきて、エレベーター内に隙間風が通り始めてきた。
「…夕方になってきたから、ちょっと肌寒いね…」
身体を震わせながらわたしがそう言うと、沖矢さんが着ていたジャケットを脱いでわたしに手渡しながら優しく笑った。
「サラ、これ着て?」
「ありがとう…
あ…でも…」
わたしの今の格好は、長袖のブラウスにデニム
かたや、如月さんの格好は胸元が開いた肩出しトップス。
どう考えても、如月さんの方が寒そうだった。
「っくしゅ…」
そしてこのタイミングで彼女のくしゃみが響く。
これは…流石にわたしが借りるより貸してあげたほうがいいよね。
「わたしより、如月さんの方が寒そうだから、彼女に貸してあげて?」
不本意ながらも仕方ないとそんな提案をすると、沖矢さんはふぅ…とため息をついた。
「…わかった」
そう頷くと、如月さんにフワッと自身のジャケットをかけてあげる。
「ありがと…あったかい」
かけられたジャケットをきゅ…と掴みながら如月さんが笑った。