【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第59章 愛に似てる
「とりあえず、非常コールで閉じ込められたと連絡しよう」
そう言うと沖矢さんはエレベーターに備え付けられていた非常用のコールボタンを押した。
「こちら管理センターです。
どうされました?」
「東都大学の図書館のエレベーターに閉じ込められました。」
「少々お待ちください…
大半申し訳ございません。生憎作業員が出払っておりまして、3時間ほどお待ちいただきたいのですが、そこに急病人やお子様などはいますか?」
「いえ。全員健康体の成人です」
「かしこまりました。では、申し訳ございませんが3時間ほどその場で待機をお願いします」
プツッ
「待機か…早く来てくれるといいね…」
「仕方ないですね」
はぁ…とため息をついてエレベーター内の壁にもたれ、上を見上げると脱出口のような取手が目に入った。
「ねえ沖矢さん。
肩貸してくれない?
上から出られるかも」
「あぁ」
そう言い沖矢さんに肩車をしてもらい、取手に手をかけて脱出口を勢いよく引っ張ると、ガコッと音を出して開いた。
そのままエレベーター天井に這い上がり、次の階層の扉を確認してみるけど…
「…だめだ。ちょうど2階と3階のど真ん中で止まってる。
扉までだいぶ遠いから天井裏から脱出は無理そう。」
「仕方ない。
言われた通り3時間、待ちましょう」
脱出口から外に出ると言う僅かな希望は無くなり、この気まずいメンバー3人で3時間、この狭い個室で過ごすことになった。