【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第59章 愛に似てる
わたしは欲張りな人間だな…
だけど、赤井さんも沖矢さんも、どっちもわたしのなんだよ?
じっと沖矢さんの目を見ながら心の中でそう訴えていると、それが沖矢さんに伝わったのかわたしの肩を抱くと如月さんの方を向いて言った。
「すみませんが、彼女が迎えに来たから帰ります」
「え…」
如月さんは物凄く悲しそうな顔をした。
その顔を見て、わたしの良心がズキッと痛む。
「あ…まだ終わってなかった?」
気を使いながら沖矢さんにそう聞くと、
「論文レビューは終わったよ。」
とわたしの手をとって歩き出そうとする沖矢さん。
「ま、待って。まだ…本が…」
そういう如月さんは、また切なそうな顔をして沖矢さんをじっと見た。
馬鹿なわたしでもさすがにわかる。
この子、沖矢さんのこと好きなんだ…。
ライバルだとちゃんと認識したはずなのに、わたしの口から思わず言葉が溢れた。
「ちょ、ちょっとだけなら良いんじゃない?」
「サラ」
さすがに沖矢さんもたしなめるようにわたしの名前を呼んだ。
「だって…今日だけだし。
わたしも終わるまで一緒にいていいなら」
今日だけ。
その単語を嫌に強調して言った。