【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第59章 愛に似てる
大学の図書館の入り口についた。
が、日曜だからか、受付は無人。
ここの大学の学生らしき人が1,2名ほど学生証をかざして中に入っているのを見て、わたしは思わず沖矢さんに着信を飛ばした。
1コールで出た沖矢さんは、入り口まで迎えに来てくれると電話を切ったので、わたしはその場で沖矢さんが来るのを待つことになった。
よかった。
やっぱり考えすぎだよね。
ナナが言うみたいに汚れた人間ばかりじゃないってことだよ!
そう思いながら入り口で待っていると、しばらくして中から沖矢さんが歩いてくるのが見えた。
そしてその隣には如月さんもいる。
待って…
ナナの言ってた言葉が蘇る…
「きっと今頃、胸元ざっくりあいたトップスで誘惑してんじゃない?」
まさにそのとおりの服…
なんならまだ春先だというのにがっつり露出している。
やっぱり…世間は思った以上に汚れているのね…
そんなことを頭の中でたくさん考えていると、沖矢さんが中からゲートを開けて図書館に入れてくれた。
「友達と買い物してたんじゃなかったんですか?」
「そうなの!たくさん買ったよ!」
「?友達と喧嘩でもした?」
「そうじゃない。そうじゃなくて…
会いたかったの。沖矢さんに。ものすごく…
だから、ショッピングを早めに切り上げて走ってきた」
まるで如月さんに見せつけるみたいに、沖矢さんの腕をぎゅっと掴んでそういうわたしは、嫌な女かな?
わたしのだから。
そんなサインが少しでも伝わりますようにと慣れない事をした。
「君は、相変わらず可愛いな」
沖矢さんは優しくそう笑って、わたしの髪を撫でてくれた。