【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第8章 恋をしたのは☆ ♪
「さっきの話、生きてる限り負けないって言ってくれたでしょ?
あれ、本当だね。わたし今、死ぬのすごい怖い。」
安室さんは解体を進めながら、わたしの話を聞いていた。
「前は、いつ殺されてもいいって思ってた。
けど、死んで大事な人に二度と会えなくなるのが、たまらなく怖いの。」
「人間らしくなってきたということですね。」
そう言いながら、安室さんは最後から一つ前のコードを切った。
残りは後1本
それに手をかけ、ハサミを持っていったとき、
安室さんの手が震え出した。
「安室さん…?」
「ああ。すみません。…」
笑ってみせるが、手の震えは止まらない。
「どうしたの?」
「僕も、大事な人を亡くしました。
そいつは僕の同期で、こんな風に爆弾解体中に大勢の人を守るためにひとりで…。
これを切れば爆弾は止まる。
でもこれが1%の確率でトラップだったら…そう思うと…。」
カタカタと震える安室さんの手を、わたしは咄嗟に握った。
「ひとりじゃないでしょ?」
安室さんは、驚いてこちらを見た、
「その人は、その時ひとりだったかもしれない。
けど、今はわたしがいる。
全部背負わないで。半分分けてよ。
…一緒に切ろう。」
「サラ…」
「きっと大丈夫だから。」
安室さんの目に光が戻り、手の震えが止まった。
安室さんの手にわたしの手が重なったまま
「切るぞ」
と言う一言で、安室さんは最後のコードを切った。
怖くて、咄嗟に目を瞑ったわたしは、恐る恐るゆっくりと目を開き、タイマーを確認した。
0.0.3秒でそれ以上は動かない。
成功したんだ…
そう確信して、スマホの向こうのコナンくんや赤井さんに報告しようとしたとき
「コナンくん!タイマーとまっ………」
安室さんがわたしの手を引いて、自分の唇をわたしの唇に重ねた。
一瞬、何が起こったかわからず、ただ唇の温かい感覚が妙に脳を刺激する。
数秒口付けされ、わたしはハッとして安室さんの身体を押した。
「やっ…!」
「サラ…?サラ!無事か?」
スマホから沖矢さんがわたしを呼ぶ声が聞こえる。
どうしてキスされたかわからなくて、わたしはぼーっと安室さんをみる。
「…すみません。我慢できませんでした」
安室さんはそう言って切なそうに笑った。