【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第59章 愛に似てる
赤井side
「あ…着信…」
如月と話をしているとき、不意にサラから着信が入っていたことに気付いた。
「…ちょっと、失礼」
そう言ってサラの番号にかけ直したが、今度はサラが出ない。
「…なんだ?まだバイト終わる時間じゃないのに」
思わず沖矢昴を演じることを忘れ、ポツリと素で呟くと、如月が俺の顔を覗き込みながら聞く。
「だれ?友達から?」
「いや、彼女です。」
彼女という単語を聞いて、如月の眉がピクリと動いた気がした。
「…ふぅん。彼女、いるんだ」
「えぇ。僕には勿体無いほど、可愛い彼女が」
何の恥ずかしげもなくそう言う俺を見て如月は少し顔を赤くしながらも強がった様子で返してくる。
「な、なーに?惚気?」
「まあ、そうですね」
そう言いながら、俺は右腕につけたサラから貰ったプレゼントの時計で時間を確認した。
少し早いが、そろそろキャンパスを出てサラと落ち合うか。
そう思ってベンチを立ち上がった時、前を通った男二人組がなにやら不穏なことを話しているのが耳に入った。
「正門にいた子、可愛かったな」
「あぁ。誰か待ってるみたいだったから、彼氏じゃね?」
「やっぱり?そりゃいるかぁ」
まさかな?
そう思いながらも、俺は血相を変えて校門に向かった。
後ろから、ちょっと待ってよ。と如月がついてくるのを気に留めてる暇もなく。