第58章 Shape of you ☆

赤井さんの腕枕で微睡んでいると、ふとさっき見たAVのパッケージが頭に浮かんだ。


「はぁあ…」


しっかりと鮮明に脳裏に焼き付いているあの爆乳金髪美女を思い出し、大きなため息を吐いたわたしを見て、赤井さんが不思議そうに首を傾げた。


「？どうした？」

「…赤井さん、金髪好きは誤解って言ってたけど、爆乳は好き？」

「…ばくにゅ…」


わたしからまさかの単語が飛び出し、赤井さんの目が点になった気がした。


「…好きなの？？」

「いや？？？」


ずいっと顔を近づけて好きなの？と聞くと、赤井さんは目を丸くしたままフルフルと首を振った。


「…でも、キャメルさんがあれをチョイスしたってことは、知らず知らずのうちに、赤井さんから金髪爆乳好きオーラが出てるんだよ…」

「何を言っているんだお前は」

「それに引き換え、わたしは赤井さんと付き合ってバストアップしたはいいものの、爆乳にはほど遠いし。
そもそもあんなに大きくなったら、普段の生活大変じゃない？！
回し蹴りする時とか、胸に脚が当たりそう…」

「…まあ、AV女優は回し蹴りしないだろうからな」


涼しい顔してそんな正論を吐く赤井秀一に、わたしは思わずキーーッと牙を剥いて言い返す。


「そう言うこと言ってるんじゃないの！！！」

「じゃあどう言う…」

「だから！赤井さんにとって、ストライクど真ん中はわたしがいいの！
だから、足りないところがあるなら補いたいの！
赤井さんが爆乳好きなら、胸にシリコンでも詰めて…」

「やめてくれ…お前は本気でやりそうで怖い」


たまに見せるわたしの暴走モードに、赤井さんはまたやれやれとため息を吐きながらわたしを抱きしめた。