第58章 Shape of you ☆

でも嫌なんだもん…
赤井さんがわたし以外の女の子を見て、欲情したんだと思うと、嫉妬でおかしくなりそう。

赤井さんはわたしの髪を撫でながら、力一杯抱きしめて言う。


「嫌と思うのは、俺のことを好いてくれている証拠だろう？
それに、これはキャメルが誕生日プレゼントにと今日無理矢理渡して来たもので、一度も観ていない。
観ずに返そうと思っていた」

「…ほんと？」

「もちろん。嘘じゃない」


そう言い切ると、赤井さんは抱きしめていた身体をそっと離し、わたしの涙を指で拭いながら言う。


「俺はお前以外で興奮しない」


赤井さんの目は真剣そのもので、その目を見ると赤井さんのことを信じるべきなんだとは思う。

けれど、どうにも納得がいかないわたし。

言葉で言うのは簡単だけど、目で見て安心したい。

そう思ったわたしは、赤井さんに史上最大の無理難題を押し付けた。


「じゃあ、証明して？
わたしを見ながら、一人でシテ？」

「…っいや…」


予想外のお願いだったらしく、赤井さんにしては珍しく焦ったように表情を変えた。


「やっぱりわたしじゃ物足りないんだ！」


そう言ってプイッとそっぽを向くわたしを見て、観念した赤井さん。
こんなワガママを言うわたしのことを抱きしめながら髪を撫でてくれた。


「わかったよ…」


そう言うと、赤井さんはわたしの手を引いてわたしをソファーの上に座らせた。