【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第8章 恋をしたのは☆ ♪
ラウンジで待機していると、下の階から大きな爆発音が聞こえた。
ドォーーーーン
その音と地鳴りと停電にラウンジにいた客達はたちまちパニックに陥る。
悲鳴をあげる人、泣き叫ぶ人、怒り出す人、そんな中わたしは安室さんの袖を引っ張って言う。
「…これって」
「ああ。ヤバイことになってきたみたいだな」
安室さんはそう言いながら、わたしを守るみたいに肩を抱き寄せた。
わたしなら大丈夫なのに。
そう思ってしまう時点で、女として負け組なのだろうか。
宮野明美さんは、こういう時赤井さんに守ってやると言われて嬉しいと思う人だったのかな。
そんな今考えなくても良いようなことを考えていると、安室さんのスマホが鳴った。
安室さんはわたしにも聞こえるようにハンズフリーにして通話ボタンを押した。
「コナンくん?一体何があったんだ。」
「犯人突き止めたんだけど、このホテルへの復讐で、ここを破壊するのが最終目的だったみたいなんだ。」
「ちょ、ちょっと待って。
破壊って…このホテル駅前にあるのよ?
破壊されたらとんでも無い被害に…」
「うん。だからはやく爆弾を見つけないと…」
「ここにいる客達は?」
「それなら今、警察が非常用エレベーターで順番に避難させてるよ。
そろそろそっちにも指示が行くと思う」
「そうか…サラ。
君は他の人たちと一緒に避難してください。
爆弾は、僕が見つけて解体する」
「ええ!?」
突然の提案に、わたしは驚いて安室さんを見た。
安室さんは続けて言う。
「コナンくん。犯人から爆弾の数を聞き出せないか?」
「それなら大丈夫。設計図を奪ったから。あと1つのはずだよ。」
「よし。」
「待って。わたしも行く」
わたしは安室さんの腕を掴みながらそう言った。
安室さんは、わたしの両肩を両手で掴んで、まるで悪いことをした生徒を叱る先生みたいに言う。
「危険だと言うのがわからないのか?!」
「もともと、危険の中にいた人間よ!
安室さんだけにそんな危ないことさせられない。」
そうだ。わたしは本当はあの夜、海に飛び込んで死んだはずの人間だ。わたしがやらなくてどうするの。
「…爆弾の解体経験は?」
「ない。けど、仕掛けたことはある。」
その言葉に、安室さんは諦めたように笑って言った。
「…頼もしい限りだ」