【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第57章 クリスマスソングの続き ☆
目の前に広がる東京の夜景を見ながら、うっとりと目を細めていると、後ろから突然腕が伸びてきてわたしの身体をぎゅっと抱きしめた。
ぱしゃ…とお湯が揺れる音がして、同時にわたしの心臓が大きく跳ねる。
「えっ!あ、赤井さん?!」
「赤井さんじゃない。秀一」
「秀一…入ってきたのわからなかった!
それに、寒いのにそれを顔に出さないとはさすがだね…」
ワザと秀一の真似をしてそう言うと、秀一はフッと笑みをこぼしながらわたしの頬に後ろからキスをした。
そして、わたしの髪を撫でながら目を見つめてまた微笑む秀一。
「さては、夜景に見惚れてたな?」
「だってこんなに綺麗なんだもん。
ねえ、わたしたちの家はどっちの方向かな?」
「米花町はあっちの方だな」
秀一が指差す方向を眺めると、いつもわたしたちが生活している場所が、ネオンでキラキラ煌めいていてなんとも不思議な気分になる。
「いつも自分達が住んでる街は、夜になるとこんなに綺麗なんだね。
街の中にいると気づかない」
そう言って目を細めると、秀一はお湯の中でわたしの身体をぎゅっと抱きしめ直した。
まるで宝物を抱きしめるように、優しく。
秀一の逞しい腕が、わたしの身体を全部包み込んで、守られている感じがした。
「…秀一?」
「今年のクリスマスは、笑ったお前を見られたな」
「うん…すっごく幸せ…」
「去年は泣かせてしまったから。
…何度も言うが、もう絶対2度とお前を手放さない。」
そう言うと、秀一の手がわたしの顎に添えられ、後ろを向かせられると、ゆっくりと唇が重なった。
「んっ…」
思わず漏れた吐息を聞いて、ほんの少し唇を離した状態で秀一がわたしの瞳を覗く。
わたしも負けじと、秀一の綺麗な翡翠の瞳を覗き返した。
秀一の神秘的な瞳には、ちゃんとわたしが映ってる。
「…綺麗なグリーンの目…」
「母親譲りだ」
「…いつか、秀一のお母様に会える?」
「会わせるさ。必ず」