【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第8章 恋をしたのは☆ ♪
「さ、そろそろ戻りますか」
安室んがバーボンを飲み干し、グラスを置きながらそう言ったとき、突然ラウンジに警察が入ってきた。
「警察です!みなさんこの場から動かないでください!」
「??なに?なんかあったのかな…」
「さあ…」
ピリリリリ
警察が来たと同時に安室さんのスマホが鳴った。
周りの雑音をシャットアウトするみたいに、安室さんは片耳を手で塞ぎながら電話に出た。
「はい?コナンくん?
…何!殺人事件?!
…ああ、サラさんと一緒だけど。
今一つ上の階のラウンジでちょうど足止めを…」
深刻そうな顔でしばらく話すと、安室さんは電話を切った。
「殺人事件?」
「ええ。どうやら。
解決するまでここからは出られそうにありませんね」
「マジですか…」
灰原を守ってくれと言われて来たくせに、まさか全然違う場所で足止めを喰らうとは。
赤井さん、心配してるかな…
あんな風に言った後だったし…
ピリリリリ
今度はわたしのスマホが鳴った。
画面には 沖矢昴 と表示されている。
おそるおそる出てみると
「俺だ」
と赤井さんの口調の沖矢さんの声がした。
「ごめん…別のところで足止めを…」
「知っている。
…すぐに解決して、迎えに行く。
だから、待っていろ」
「…うん」
たったそれだけの言葉で、どうしてこんなに嬉しいと思ってしまうの。
結局わたしは、赤井さんの一言で最高にも最悪にもなれる、単純な女だ。
電話を切った後、スマホをぎゅっと抱きしめるわたしを見て、安室さんが何かを呟いた気がしたけど、雑踏でよく聞こえなかった。