【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第56章 クリスマスソング
部屋のテーブルに白いテーブルクロスが引かれ、そこにお料理が並べられた。
クリスマスらしく、ローストターキーやスタッフィング、サラダにスープに美味しそうな前菜。
オマケにブッシュドノエルまである。
「すごい!クリスマスのご馳走だ!」
そう言って目を輝かせるわたしを見て、赤井さんはフッと笑った。
「お前は、変わったな」
「え…?」
「一緒に暮らし始めたときは、ずっと戸惑ったような顔をして、笑っていてもどこか寂しそうな目をしていた。
…変わらないと言えば、食い物のことになると目の色が変わるところぐらいかな」
「それじゃ、わたしが食い意地張ってるみたいじゃない!」
「張っているだろう。実際」
何を言ってるんだ?とでも言うように目を丸くされると、わたしもそれ以上反論できなくなる。
完全に図星だ。
「…でも、赤井さんに色んなこと教えてもらったから。
赤井さんといるとドキドキして楽しくて、気付いたら笑ってた。
反対に、何かに泣けるほど嫉妬してしまう気持ちも知った。
赤井さんが、私を変えてくれたんだよ?」
「…俺も、そういう意味では変わったのかもしれないな」
「え?」
「ジョディに言われたよ。
少しだけ、雰囲気が柔らかくなったと。
以前はもっと張り詰めていて、人を寄せ付けない雰囲気を纏っていたように見えていたそうだが、今はいい意味で丸くなったと言われた。
お前が、俺を変えたんだ」
「わたしが…」
わたしはずっと、わたしばかり赤井さんに与えてもらってると思ってた。
わたしは赤井さんに、何もしてあげられてないんじゃないかとも。