第56章 クリスマスソング

けれど、わたしと一緒にいる事で、赤井さんも変わったんだ…
わたしも、ちゃんと赤井さんの一部になれてる。

そんな気がして嬉しかった。


「…泣くなよ」

「っ…」


気づいたら、涙が一筋溢れていて、わたしはゴシゴシと目を擦った。

そして前を見ると、赤井さんが優しい顔して笑いながら言ってくれた。


「これからも、俺のせいで変わっていくお前を見るのが楽しみだ。
そして、お前のせいで自分が変わっていくのも、楽しみだ。
…お前と生きていくのが、楽しみだ」


さっき、せっかく拭った涙がまたボロボロと溢れた。

この人は、一体わたしにどれだけの宝物をくれるんだろう。

この先、まだ3分の1以上もある長い人生を
あなたと生きていく

そう思っていて、いいんだ…


相変わらずすぐ泣くわたしに、赤井さんは呆れたように笑って言った。


「泣き虫」


赤井さんと過ごす2度目のクリスマスは甘くてあたたかくて、彼はまたわたしの幸せを塗り替えてくれた。



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