【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第56章 クリスマスソング
この勝負に勝って、俺は嬉しかった。
もちろん、射撃勝負自体に勝てたのもそうだが、一番はサラが10発目を外したこと。
俺と1年以上一緒に過ごして、もう諜報員ではなくただの女になってきたのが証明されたみたいだったから。
サラは不服そうに口を尖らせると、俺を見ながら言った。
「仕方ない。負けは認める。
…赤井さんの言うことなんでも聞くよ?
何がいい?チョコレート?マカロン?チーズケーキ?」
それはお前が欲しいものだろう…と、心の中でツッコミながらも、俺はサラの頬に手を添えて俺のお願いを伝えた。
「今日一日、秀一と呼んでくれ」
「え…それだけ?」
「他には何もいらない」
じっと目を見つめてそう言うと、サラは少し照れたような顔をしながら俺を見つめ返して名前を呼ぶ。
「秀一?」
久しぶりにサラに秀一と呼ばれて、あっけなく胸が踊った。
サラはさっきの射撃がまだ悔しいらしく、今度はライフルを持ってきて俺に言う。
「今度はライフルで勝負しよ!」
「俺にライフルで挑むとは正気か?」
結局その後のライフル勝負も俺の勝ち。
手加減というものを知らない俺に、サラは一層頬を膨らませて不機嫌になり、そのままエアガンバーを出ることになった。