【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第56章 クリスマスソング
赤井side
サラが喜ぶと思って連れてきたこの場所は、まさかの安室くんとサラの思い出の場所だった。
それを、サラの口から言わせてしまうとは、俺もまだまだだな…
それに、どう考えても自業自得の癖して、俺が最初に連れてきたかった。という嫉妬心も湧いてきたのだから、厄介なところだ。
そんな俺に、サラは楽しそうに笑いながら言う。
「じゃあ、射撃勝負でもする?」
「勝負?
いいのか?俺が勝つぞ」
「な!わたしが勝つもん!
射撃は誰にも負けないから!」
勝負となると途端にムキになる俺の彼女は、出会った頃から何も変わっていない。
トロピカルランドの射的で白熱し、景品全部を掻っ攫っていったこともあったな。
それを思い出し、俺はある提案をした。
「負けた方は勝った方の言うことを何でも聞く。
どうだ?」
「なんでも?!いいの?そんな約束しちゃって」
自分が負けるはずないとたかを括っているサラは、目を丸くして俺を見てきた。
「あぁ。俺が負けたらお前の言うことなんでも聞いてやる」
「じゃあ、ピエールエルメの冬限定マカロンBOXが欲しい!」
「勝ってから言えよ…」
そんなサラも結局可愛いと思ってしまい、俺は頭をポンポンと撫でると勝負に使うエアガンを手に取った。
「勝負は10発。
10発のうち、頭に当てられた数で勝敗を決める」
「望むところよ!」
サラも負ける気がしない。と言わんばかりにエアガンを握りしめた。
「どっちが先にやる?」
「どちらでも?」
「じゃあわたしが先!
全部頭に入れて、赤井さんにプレッシャーかけちゃうんだから!」
そう言ってサラはブースに立ち、銃を構えた。