【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第56章 クリスマスソング
わたしは赤井さんの腕にぎゅっとしがみつきながら甘えるように彼の肩に寄りかかった。
「初めて降谷さんにここに連れてきてもらった日は、赤井さんにフラれてすぐの日で、わたしずっと赤井さんのこと考えてた」
「サラ…」
「2回目に連れてきてもらった時は、赤井さんに別れてからもずっとお前のことが好きだったと言われた数日後。
…降谷さんと別れて赤井さんと復縁したあの日。
その時も、頭の中は赤井さんでいっぱいだった。」
思えば随分、降谷さんに失礼なことをしていたなと思うけれど、あの時のわたしは誰かを気遣う余裕なんて無かった。
「今だって、わたしの頭の中は赤井さんばっかり。
…こんなに好きにさせた責任、とってよ…」
そこまで言うと、赤井さんはわたしの身体を両腕で抱きしめて閉じ込めた。
「俺も同じだ。
工藤邸でお前と暮らし始めた時も、あの日別れを告げた日も、それからやり直すまでも、やり直してから今までずっと、お前のことばかり考えている。」
「…もう2度と、離さないでね」
「約束する」
もう何度目かわからないこの約束を、赤井さんは律儀に小指をわたしの小指に絡めて結んだ。
目を見合わせると、お互いがお互いのことを好きだという気持ちが全面に出ている表情をしていて、思わず笑ってしまった。
「じゃあ、射撃勝負でもする?」
「勝負?
いいのか?俺が勝つぞ」
「な!わたしが勝つもん!射撃は誰にも負けないから!」
負けず嫌いなわたしの闘争心に火をつけた赤井さん。
わたしは、使う銃を選ぶと意気揚々と射撃ブースに入った。