【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第56章 クリスマスソング
赤井さんが最初はどの銃を撃とうか…と選んでいる時、わたしはとりあえずお酒を注文して席をたった。
「ごめん、お手洗い行ってくるね?」
「あぁ…」
実は車に乗る前から用を足したかったわたしは、店員さんに場所を聞くこともなく一目散にお手洗いに向かった。
そして、また赤井さんがいるバーカウンターに戻った時、赤井さんはわたしの顔をじっと見ながら尋ねてくる。
「…もしかして、ここ来たことあるのか?」
「え…どうして?」
「…手洗いの場所を、探すそぶりもなくまるで初めから知っていたかのようだった」
さすが現役FBI捜査官…
スルドイ…
呑気に感心している場合じゃないことにハッと気付いたわたしは、流石にこれ以上誤魔化すと逆にやましいみたいだと思い、正直に赤井さんに話した。
「れ……安室さんに、連れてきてもらったことがあるの」
「…安室くんに…いや、降谷零くんにか」
「あ、でも赤井さんと付き合ってる時じゃないよ?
その…赤井さんと別れて、降谷さんとお付き合いする前に…」
少し気まずい気持ちが全面に出ながらそう言うと、赤井さんは少し考え込んだ後、ロックグラスに注がれたバーボンに口をつけた。
「俺の自業自得だから、何も言えないな。」
フ…と悲しそうに笑いながら、わたしの頭をポンポンと撫でる赤井さん。
そんな顔しないで…
自業自得なんて言わないで…
あの時間は、わたしたちにとって必要だった。
こうしてまた2人でいられるようになった今、ようやくそんな風に思えてきたの。