【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第56章 クリスマスソング
いつもより少し安全運転な赤井さんの車。
その助手席に座ったわたしは左隣の赤井さんを盗み見た。
運転してるところ、本当に素敵…
もう付き合って随分経ったくせに、未だにこんな風にときめくんだから相当だ。
どこに連れて行ってくれるんだろう。
そう思って大人しく窓の移りゆく景色を眺めていると、見覚えのある店の前に車が停車した。
「ここ…」
到着したのは、シューティングバー。
そう、赤井さんにフラれた後、安室さん…
零が、わたしを元気付けるために連れてきてくれた場所とおんなじだった。
どうしよう。
初めてのフリしたほうがいい?
だって赤井さんが連れてきてくれたのが、よりにもよって、安室さんとの思い出の場所だとは思っていなかったから…
しかも、赤井さんにフラれて超絶凹んでいるときだったし…
きっと、わたしがもっと大はしゃぎするものだと思ってたんだと思う。
その場に立ち尽くすわたしに、赤井さんは気を遣ったように顔を覗き込んだ。
「…あまり、乗り気じゃないか?」
「そ、そんなことないよ!
楽しみ!入ろう?」
ダメダメ!
赤井さんと楽しいクリスマスにするんだから!
そう心の中でリピートしながら、わたしはシューティングバーに2度目の入店を決めた。