【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第56章 クリスマスソング
赤井side
今日がクリスマスだということ、2ヶ月も前から意識していた。
忘れもしない去年の12月25日。
俺はサラに最悪のクリスマスの思い出を与えてしまった。
きっとサラはこの先もクリスマスが来る度にあの日のことを思い出すんだろう。
あの日、観覧車から泣きながら縋ってくるサラが今でも忘れられない。
抱きしめたいのに、抱きしめなかった。
好きだと言いたいのに、別れようと言った。
サラを危険から遠ざけるために自分の気持ちとは正反対の行動をとった俺だが、結局サラを深く傷つけるだけの結果となったのだった。
そんなサラに、今の俺が出来るのは、今年も、来年も、再来年も、10年後だって、毎年クリスマスを一緒に過ごして楽しい思い出を量産してやることぐらいだ。
そう思ってから、今日クリスマスをサラと過ごすのが楽しみでもあり、若干不安もあった。
サラが喜ぶクリスマスって、一体どんなものだ?
その普遍的なテーマを掲げ、俺はそれから1ヶ月間、ありとあらゆる情報を吟味し、ここは絶対に連れてくるとサラが喜ぶ。と確信した場所を決めた。