【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第56章 クリスマスソング
今日はクリスマスだけど、何も予定は決めていない。
きっと赤井さんは、今日がクリスマスだって自覚ないんじゃないかな?
もうすぐクリスマスだね。って話すらしてないぐらいだから。
だけど、どこにも行かなくても良い。
特別なクリスマスじゃなくても良い。
こうして、赤井さんの腕の中で過ごせたらそれだけで十分。
そう思いながらわたしも目を閉じて、もうすこしだけ寝ようと赤井さんの寝息に合わせて眠りに入った。
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二度寝とは恐ろしいもので、気付けば深い眠りに落ちていたわたしはハッと目を覚ました。
すると、目の前にいる赤井さんはわたしより先にすっかりお目覚めで、わたしの髪を撫でながら優しい瞳で微笑んだ。
「おはよう。サラ」
「おはよ…赤井さんの方が先に起きたんだ」
「あぁ。起きて、お前の寝顔を眺めていた」
そんなことを真剣に言うこの赤井秀一という男は、かっこいいに拍車がかかっている。
お前の寝顔を見ていたなんて、歯の浮くようなセリフも、赤井さんが言うとサマになるんだから不思議だ。
そして、この世で一番無防備な寝顔を観察されたことが恥ずかしくて、わたしは思わず顔を両手で覆う。
「寝顔、ブスだから見ないで…」
「お前がブスだった瞬間なんて、一瞬たりともない」
またまたそんな甘い言葉をその甘くて深みのある声で言うと、わたしの頬とおでこに1度ずつキスをした。
ちゅ…
チュ…
どちらもくすぐったくて思わず目を瞑ってしまったわたし。
そして赤井さんはわたしの顎に手を添えた。
それは唇へのキスの合図だ。
「朝からこんなキスされたら、もう赤井さんのことしか考えられなくなっちゃう。」
「ホォー。それは良いな。
俺のことだけ考えていてほしい。と言いたいところだが、今日は出かけるぞ」
唇にキスを期待していたわたしの予想を軽く裏切ってくる赤井さん。