【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第56章 クリスマスソング
赤井さんと別れたあのクリスマスの日から、気付けば一年が経った。
今日は2人で過ごす2回目のクリスマスだ。
「ん…」
ぱち…と目を覚まして隣を見ると、すやすやと寝息を立てて眠る赤井さんが目に入った。
今年のクリスマスは、一緒に幸せなクリスマスに出来るよね…?
まずは隣にちゃんと彼がいたことに安心して、もう少しだけ寝ようとまた赤井さんの胸に擦り寄った時、赤井さんの目がぱち…と開いた。
「サラ…」
「ごめん、起こした?」
「ん…」
まだ少し眠そうな赤井さんは、わたしを視界にとらえると、まるで抱き枕みたいにぎゅーっと抱きしめてまた目を閉じた。
いつも大人でクールな彼とは少し違い、寝起きの赤井さんは子供っぽくて可愛い。
ふふっと笑みをこぼしながら、赤井さんの顔を眺めて幸せを噛み締めるわたし。
この日をこうして抱きしめあって迎えられるだけで、いかに幸せかということは、去年身をもって痛感したから。
そう思いながら、右手の薬指に光る指輪を眺めた。
あのクリスマスのやり直しの5月25日に赤井さんがくれたわたしの宝物を。
ちゃんと、赤井さんのもとに戻ってこれたんだなと、この指輪を見るたびに実感できるのが何より嬉しい。