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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第55章 片想い




赤井side


「殺す」


目の前の2人を見てポツリとそう溢した俺を見てキャメルが横であたふたしている。


「お、落ち着いてください…!」


ヒソヒソ声でキャメルは俺が背中に隠し持っている銃を抜かせないよう必死に俺の腕をホールドする。


そもそも、どうして俺の腕にしがみついてるのがキャメルで、サラは別の男にしがみついてるんだよ…
おかしいだろう。どう考えても。


イライラと黒いオーラが俺の頭上に渦巻いて殺気が抑えられなくなってくる。

そのイライラは映画が終わるまで緩和されることなく、むしろ増築する一方で、シアターを出る頃には俺の顔面に怒りマークがいくつも出来ていた。


サラの方を見ると、このホラー映画がよっぽど怖かったのか、ずーんと落ち込みながらロビーの方へ向かっている。


「ま、まあでもこれで今日のデートも終わりですよきっと」


俺の隣でキャメルは良かったですね。と言わんばかりに俺に笑いかけてくる。


「いや。まだ安心するのは早い。
無事に解散するところを見届けてからだ」


そう言いながら2人の後をつけると、2人はショッピングモールの屋上にある展望台へ向かうエレベーターに乗り込んだ。


「お!?これはもしや、告白ですかね?!」

「なんだと…キャメル、追うぞ」


即座にすぐ隣のエレベーターをカチカチと何度も連打する俺を見て、キャメルが改めて言う。


「こんなに必死な赤井さん、珍しすぎます…」


「なんとでも言え。」


サラのことになると冷静さを失う節があることぐらい、もうとっくの昔に知ってる。

そんなことより俺はどうにか告白を阻止したくて、やっときたエレベーターに乗り込み屋上へのボタンを押した。





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