【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第55章 片想い
弓弦side
映画が始まると、サラさんは隣で大きい音がするたびにびくっと肩を揺らしている。
もしかして、本気で怖がってるのか…?
そう思いながらサラさんをチラ…と横目で見ると、目をぎゅっとつぶって画面を一切見ていない。
「サラさん。観てます?」
「み、観てます!」
サラさんの耳元でヒソヒソと話しかけると、強がってそう言いながら片目を開ける可愛いサラさん。
ちょうど怖いシーンを目にしたサラさんはビクッと身体を揺らして俺の腕にぎゅっとしがみついた。
か…わいすぎるだろ…
俺の肘に心なしか、ふに…と柔らかいものが当たる。
やっべぇ…触りてえ…
健全な高校生男子の俺は、好きな人にこんな風にしがみつかれると、いつまで紳士でいられるか自信がない。
サラさんをオカズに何回も抜けそうだ。
そんなどうしようもなく最低なことを考えながら、全意識を肘に集中する。
ここ触ったら、怒られるかな…
流石に怒られるか。
そう思いつつも、肘を若干動かして、サラさんの胸の柔らかさをどうにか感じようとする俺。
カップルシートにして良かったと心底思った。
なんかいい匂いもするし…
あぁ、俺、こんなんで諦められんのか…?
ますます募っていくサラさんへの想いを自覚しながら、くしゃ…と髪を掻いた。
その時、後ろから誰かにじっと睨まれている殺気のようなものを感じた。