【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第55章 片想い
サラ達に見つからないように、大柄な男性客の背中にこそこそ隠れながら、ようやくサラたちのすぐ後ろの席に到着して、俺はそのシートを見て目を見開く。
「何だこの席」
「…赤井さん、どうやらこれはカップルシートと言うやつらしいです」
ヒソヒソとサラに聞こえないようにやり取りをする俺たち。
周りを見ると確かにカップルだらけで俺たちは浮きまくってる。
「カップルシートに、赤井さんと座るんですか…」
「…俺だって嫌だ。勘弁してくれ…」
そうは言ってもチケットはもう購入済み。
サラ達を監視するには絶好の特等席だ。
背に腹はかえられん。
俺は大人しくカップルシートに腰を下ろした。
キャメルもはぁ…とため息をつきながら、失礼します。と言ってシートに腰掛けた。
俺もキャメルも身体がデカイから、シートが狭い。
くっつきたくないのに、どうしても身体が触れる。
というか、あいつらもこのシートに座っているのか?
ますます許せんな…
サラは華奢だから常に身体が触れているなんてことはないだろうが、肘掛けがない分距離が近い。
嫌な予感がする…
その予感は、30分後に見事に的中することとなる。