【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第55章 片想い
赤井side
「サラさん、どうやら映画を見るようですね。
…この時間からだと、あのホラー映画みたいですね」
「ホラーだと?…あいつ、大丈夫なのか…」
「とりあえず、チケット買いましょうか。
でも、2人がどこの席を買ったかわからないですね…」
そう言うキャメルをよそに、俺は素早くチケットカウンターに向かった。
「あ、赤井さん?チケットは自動発券機で買えますよ?」
慌てて俺の後をついてくるキャメルを無視して、俺はチケット売り場の店員にFBIの手帳を見せながら言う。
「FBIだ。
さっきチケットを買った、高校生ぐらいの男と、可愛い女の二人組がいただろう?そいつらの様子を張り込める席を用意してほしい」
「あ、赤井さーん!まずいですよ!!
職権濫用ですよ!」
「うるさいぞキャメル。静かにしろ」
完全に暴走モードの俺を見てあわあわと隣で慌てふためくキャメル。
店員は不審に思いながらも、どう見ても本物っぽい手帳と、俺たちの只者じゃない様子を見て、サラたちがとった席のちょうど後ろの席を用意してくれた。
「…赤井さん、サラさんのことになると人格変わりますね」
キャメルが呆れながらそんなことを言うが俺には全く響いていない。
この映画が終わったら、引きずってでもサラを連れて帰る。
もはやそれだけしか頭に無く、足早に中に入った。