【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第55章 片想い
心の中でそう叫びながら、あくまでわたしは大人…大人の女…と暗示をかけ、キリッとした顔を作って弓弦くんを見た。
「大人をからかっちゃダメだよ。
学校に好きな子とか、いないの?」
あくまでも大人ぶってそう聞いてみるけど、あっさりとそれを返される。
「いません。目の前にしか」
待って!!やめてーーー!
赤井さんにブチギレられるよこんなの!!
と言うかもうこれはもはや告白では?
それとも、こうやってわたしがあたふたするの見て楽しんでる?
「…あの、わたしあなたより7つも年上のおばさんだよ!?」
「24歳のおばさんなんて、聞いたことありませんよ」
「この間、めでたく25歳になりました。
って、そうじゃなくて!
わたしなんか追いかけてたら勿体無いでしょ?って話をしてるの」
「…赤井さんは、サラさんのいくつ上なんですか?」
「え?8個だけど…」
「じゃあ、赤井さんのこと追いかけてた時間は勿体なかったんですか?」
「そんなわけないじゃない!!」
「ほら。」
ハッ。
だめだ…男子高校生舐めてた…
わたしなんかより、1枚も2枚も上手だ。
全部綺麗に論破されたわたしは、はああとため息が身体の奥から出た。
「と!とにかく、本当に今日だけだからね?」
「わかってますよ。
だから、今日だけはちゃんと好きでいさせてください」
紛れもない告白をされたわたしは、うーー!と顔を赤くして弓弦くんを見た。
前途多難だ…
どうか赤井さんにバレませんように…
そして今日一日が、無事に終わりますように…
頼りなくもそう願いながらわたしは運ばれてきた料理を美味しくいただいた。