第55章 片想い

赤井side


10時。
待ち合わせの1時間前から、俺はキャメルと張り込みを開始した。


「赤井さん…今日のミッションは一体」

「サラが、デートなんだよ」

「へえ……え！？！？まさか、浮気！！？」


そう口走ったキャメルを俺はギッと鋭い眼光で睨む。


「す、すみません…で、デートとは…だれと？」

「ポアロの客。男子高校生」

「だっ！男子高校生…それは…危険ですね」


キャメルが言ったその言葉が引っかかった俺は、ストレートに疑問をぶつける。


「男子高校生だろうが、中学生だろうが大学生だろうが、
男は全員危険だろ」

「いや、それはそうなんですが…
高校生の頭の中はもうエロい事でいっぱいじゃないですか！
毎日好きな女の子のこと考えてましたよ…
自分も高校生が性欲のピークでしたね…赤井さんもそうでしょ？」

「いや…俺は正直今が一番…」


キャメルのペースに飲まれて、言わなくて良いことまで言いそうになる自分の口をハッと塞いだ。

サラと付き合ってる今が一番ピークだなんて言ったら、きっとまた笑いながら赤井さん可愛いですー！って言ってくるに違いない。