【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第54章 君に届け ☆
赤井side
風呂から上がると、LDKにサラの姿はなかった。
寝たのか。
今日の仕事でのイライラがまだ尾を引いていて、ハァッとため息をつきながら冷蔵庫を開けた。
水でも飲もうと中身を見た時、俺はあるものを見つけた。
俺がいつも飲んでいる、ブラックの缶コーヒーが大量に買われていて、
「赤井さんお仕事おつかれさま」
と書かれた付箋が貼ってある。
そう言えば、さっきからサラが俺に気を遣って色々と聞いてくれたのに、俺はそっけない態度を取ってしまったな…
サラは何一つ悪くないし、なんなら仕事のストレスを家に持ち込んでるのは俺だ。
冷蔵庫の下の段を見ると、俺が残したスペアリブが綺麗にラップされて置いてある。
これも、一生懸命作ったんだろうな…
そう思うと、途端に申し訳ない気持ちと、愛しくてたまらないと言う気持ちが押し寄せてきた。
LDKの奥にあるベッドルームのドアを開けると、サラはベッドの中で向こうを向きながらスマホをいじっている。
ちょうど俺側からスマホの画面が見え、
どうやら疲れを癒すグッズを検索しているようだ。
その後ろ姿がどうしようもなく可愛くて、愛しくて、俺は後ろからサラの身体を抱きしめた。
サラの匂いがする…
こいつを抱きしめている時が、なにより疲れが癒やされるんだ…
「赤井さん?」
「悪かった」
「え?」
「お前が、色々してくれたのに、あんな態度とって。飯も、せっかく作ってくれたのに全部食べなくて、すまなかった」
ぎゅ…と抱きしめてそう言うと、サラは可愛い声で返事をする。
「赤井さんは、仕事大変なんだから仕方ないよ?
ご飯も、わたしがもっと美味しいの作ればいい話だし…」
そんなことを思わせてる時点で、彼氏失格だ。