第54章 君に届け　☆

ふと赤井さんのお皿を見ると、あんまり食べてないみたい。

仕事、大変なんだ…
ますます、わたしの話なんてしづらい…


どうにか突破口を見つけないと…


そう思いながら、わたしも遅れて脱衣所に向かった。


バスルームのドアには、中でシャワーを浴びてる赤井さんのシルエットが浮かぶ。


…なんか、ドキドキしてきた。
なにこれ。赤井さんの裸のシルエットだけで興奮するとか、わたし変態？？？


ドコドコとうるさくなる心臓を鎮めるために、スーハーと深呼吸をして、赤井さんに話しかける。


「赤井さん？
疲れが取れる入浴剤とかあるよ？使う？」


「シャワーで済ませるからいい。」

「そ、そうですか」


はああぁ…だめだ…今日は無理だ諦めよう。


思いつくご機嫌取りは全てあっけなく撃沈。

すでにお風呂を済ませているわたしは、そのまま脱衣所で歯を磨き、ずーーんと落ち込みながらフラフラとベッドルームに向かった。