第54章 君に届け　☆

どうしようどうしようどうしよう！！！

あわわわとナナに切られた電話を見ながら、赤井さんの機嫌をどうやってとるか？
バカな頭で必死で考えた。


「サラ」

「はっ！はい！！なんでしょう？？」

「腹減った」

「あ！ごはん！もうできてるよ！！」


わたしはひたすらに赤井さんの機嫌が治ることだけを祈りながら、大袈裟なぐらい赤井さんに気を遣う。


「あ、赤井さん！
赤井さんの好きなスペアリブだよ？
甘辛くしてみたの！」

「あぁ。」

「お、お酒飲む？？
赤ワインがあるの！」

「いや、いい。明日も灰原哀の警護に行かないといけない」

「そ、そう…」


う…どうしよう…
一向に機嫌が治る気配がない…

今日は言うのやめとく…？

明日になったら機嫌直ってるかな…


でも、もし別ルートからこの話が赤井さんの耳に入ったら…

例えば、弓弦くんが安室さんや梓さんにポロッと言って、それがコナンくんに伝わって、赤井さんに…

そうなると、どうして隠してたんだ？！ってもっと怒られる！！


どうしようー！！


あわあわと心の中は大パニックのわたしをよそに、赤井さんはガタッと立ち上がった。


「？どうしたの？」

「風呂に入ってくる」

「あ…うん！」


そう言ってバスルームへと向かった。