【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第54章 君に届け ☆
その日の夜、ご飯を作って先にお風呂に入った後、赤井さんが帰ってくるのを待つ間、ナナと電話をして弓弦くんのことを話した。
「あんた、バカ??」
「…ナナ…そんなハッキリと。」
ナナはわたしに呆れた様子で、ズバッと切りこんでくる。
「その弓弦くんの気持ちに、全く気付かなかったの?」
「うん…本当に、まっっったく!!!」
というか、今でも嘘かも?とすら思ってるもの。
「あんたのカレシは気付いてると思うよ。
車に乗せた時に」
「えっ!なんで?」
「あんたの話聞いてるだけで、あー。その男、あんたのこと好きだわってわかったから。
その場にいたんなら尚更気付いてるよ。
気付いてないのはあんたぐらいだわ」
「…ナナって、ほんとズバッと言うよね」
「オブラートに包むの、苦手なの。嫌?」
「ううん。むしろ楽!」
初めて出来た女友達とそんなふうに楽しく電話していると、LDKのドアがガチャリと開いた。
「ただいま」
「あ!おかえり!」
赤井さんが帰ってきたのだが、何やらめちゃくちゃ不機嫌だ。
「ど、どうしたの…?」
「今日一日中使って調査した件が、ガセネタだったんだよ。
貴重な一日を無駄にした」
そう言う赤井さんは、普段よりも目の下のクマがくっきり浮き上がり、めちゃくちゃ不機嫌そうに洗面所に向かった。
「…や、やばいよ!今日に限ってすっっごく機嫌悪い!
いつもそんなことないのにー!」
「正直に言えば?高校生男子とデートすることになりましたって」
「絶対怒られるもん!!
えー!どうしよう…」
「あんたは一回怒られた方がいいと思うわ。
あ、じゃああたし、これからバイトだから。切るね」
「えっ!待って!ナナ!!
……切れた」