【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第54章 君に届け ☆
ごめんなさい。と頭を下げて断ろうとした時、弓弦くんが拗ねたように言った。
「…なんでもいいって言ったのに」
「そっ…それは…」
「大人は、簡単に嘘つくんですね…」
「えぇ…や…待ってよ……わ、わかったから!」
子犬のようにしゅんとした顔をされ、さらには大人は嘘つきですね。なんて言われたらさすがに断れない…
そう思いながら了承すると、弓弦くんはわたしを見て屈託なく笑いながら言った。
「よっしゃ!
…じゃあ、今度の日曜日、米花駅の時計の前で待ってます」
「あ、はい…」
弓弦くんはそう言うと、わたしにペコリと頭を下げて帰って行った。
こ、これは非常にまずい…
馬鹿なわたしでも流石にこれはまずいと分かる。
赤井さんに何て言おうかなあ…
はぁーっと深いため息をつき、ポアロの前の掃除を再開した。