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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第8章 恋をしたのは☆ ♪




「でも、赤井さんの恋人って言っても、もう亡くなっているし、今赤井さんが大切にしてるのは…」


コナンくんが、フォローするみたいにわたしを心配して言ってくる。
小学生の癖に、空気がすごく読めるんだね。


「知ってるから…。
死んだ人間は、残された人の心にその時の記憶のまま残る。
そして生きてる人はその人の面影を追いかけて、追いかけて、掴めなくて。
ずっと忘れられないの。
知ってる…わたしがそうだから。」


ふと、タクミのことが頭に浮かんだ。

こんな風に、赤井さんの心にもずっと宮野明美さんがいるんだ。
もう何度目だろう。この事で悩むのは。

大丈夫って思ったら、また襲ってくる不安。
だってどうしようもない。恋敵は亡くなっているんだから。

それにわたしは、赤井さんから好きとか愛してるとか言われたことない。

いつも抱きしめられると、心で愛してると言われている気がしていた。
けれど言葉にして伝えられたわけじゃない。

そしてわたしも、無くすのが怖くて、好きですも愛してるも何も伝えていない。


こんな臆病なわたしが、太刀打ちできるわけない。


そんなことを考えていると、料理を取りに行ってたみんなが戻ってきた。


「サラお姉さんの分も取ってきたよー!」

「ありがとう」


お皿を受け取ると、わたしが好きな生ハムがたくさん乗っていた。


「昴さんが、お姉さんは生ハムが好きだからってー!」

「…そう…」


複雑だ。
あの話を聞いた後に、こんなことをされても素直に喜べない。

結局、男の人ってたくさんの女性を愛せるんだ。
そんなの、18の頃にわかってたはずなのに。


わたしは浮かない気分のまま、生ハムを口に運んだ。
しょっぱくて、涙の味がした気がした。


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