第53章 ここでキスして　☆

カチャカチャと金属音をさせて懸命に外そうとするも、何故か外れなくて、わたしは泣きそうな顔をして赤井さんを見た。


「…可愛い…。俺の負けだ。
サラ…意地悪をして悪かったな」


赤井さんは優しくそう言ってわたしの髪を撫でると、慣れた手つきでカチャ…と自分のベルトを外し、デニムを脱いだあと、上に乗っていたわたしの身体を抱き上げて寝かせた。

そしてその上に覆い被さる。


「サラ…」


わたしの名前を呼びながら、赤井さんがゆっくりとわたしの背中に手を回し、下着のホックを外した。


「ん…」

「全部、脱ごうか」


そう言って、ゆっくりとわたしの上の服を脱がせ、上半身裸にしたあと、赤井の手がわたしの部屋着のショートパンツに伸びてくる。


その手を、わたしが咄嗟に静止した。


「あっ…だめなの…」

「？」

「なんか、今日…赤井さんに名前呼ばれただけで身体が疼いて…いっぱい濡れてるけど、引かないで…」


かああっと顔を赤くして俯くと、赤井さんが優しくわたしを抱きしめた。


「馬鹿だな。その逆だ」

「ぎゃく…？」

「俺に欲情しているのが、嬉しくて愛しくてたまらない」


甘い声で耳元で囁きながら、赤井さんの手がゆっくりとわたしのショートパンツとショーツを脱がせた。