第52章 Getaway Car 　☆

「じゃ、早速講義だよ。行こう」

「あ、うん！その前に一本LINEする」


そう言ってわたしは、赤井さんにLINEを送った。


【赤井さん！無事着いたよ！
今から講義だよー！緊張する！】


即既読がついたあと、


【そうか。頑張れよ】


と返事が来た。


「えー！頑張れだって！
あの赤井さんが、2単語も送ってくるの珍しいー！」


思わず声に出して喜んでるわたしを、ナナは不思議そうな顔をして見てくる。


「カレシ？」

「うん！いつもなら、そうか。とか、うん。とか、良かったな。だけなのに！
今日は頑張れよって！」

「…あんた、幸せな女だね」


きゃっきゃと喜ぶわたしを見て、呆れたようにナナが言った。
ついさっき初めて会ったのに、わたしの扱い方が完璧だ。

なんか、仲良くなれそうだし楽しくなってきた！

ホームシックなんて1ミリも感じず、わたしはウキウキで教習所生活をスタートさせた。